静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画122: 『クリード 炎の宿敵』

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監督:スティーブン・ケイプル・Jr.

出演:マイケル・B・ジョーダンシルベスター・スタローンドルフ・ラングレンテッサ・トンプソン、フィリシア・ラシャド、フロリアンムンテアヌブリジット・ニールセン

 

前作の感想はこちら。

(今でも拙い感想だけど初期も初期なのでさらに恥ずかしい)

新作映画レビュー:003 『クリード チャンプを継ぐ男』 (+ロッキーシリーズ) ※ネタバレ無 - 静かなる備忘。

 

前作の『クリード チャンプを継ぐ男』が人生ベスト級に好きだ。故に上がり続ける期待値と無名の新人監督へのバトンタッチ要素に感じる不安がせめぎあったまま公開日を迎えた。1回目は公開日鑑賞にこだわるあまりコンディションも万全でなかったので、2回目は完璧な状態で判断したいと思い1週間でロッキーシリーズ7作を観返し、体調も万全に整えて赴いた。

(なぜか初見で微妙だった5がすげーよかった。)

 

1回目の印象が帳消しになったわけではないけど、シリーズ、とりわけロッキー4とクリード1へのリスペクトが詰まった素晴らしい続編だった。

 

何と言ってもかつてのロッキーの宿敵ドラゴとその息子ヴィクターが登場するシーンはすべて良い。栄光や名誉とは縁遠い現在の彼らの暮らしぶりと、それを表すようなウクライナの寒々しい空気感が伝わってくるファーストシーンで既に心を掴まれた。息子の単なる栄養補給でしかない飯の食い方(一人飯シーンのある映画は名作)とか、ドラゴの無慈悲な起こし方とか、喜びのない生活をずっと二人でしてきたんだなと。特に2回目は知っているだけに余計切ない。

 

アドニスは初めて公衆の面前で完膚なきまでに叩き潰され、子どもとかいう未知の生物まで抱えた受難が苦しい。僕は人生で一番辛い時というのは、辛い目にあってる時もそうだけど、解決すべき問題があるのはわかってるけど踏み出せずに悶々としている時でもあると思う。チャンピオンという立場にかかるプレシャーや、強敵への恐怖で動き出せないアドニスを見守るこっちも辛かった。だからこそ覚悟を決める瞬間のアドニスを背後から見守るアポロの構図は本当にグッときた。

 

そういう溜めもあってトレーニングシーンは「やったれやったれ」と拳を握って心中で応援した。熱砂の土地での猛特訓はドラゴ親子の寒冷地での粛々と行われるそれとは好対照でキマっていたし、シリーズでも観たことのない味があってよかった。ハイウェイのダッシュといい、水中でのトレーニングといい、この監督は要所の画面もハッとさせられる。

 

そんな二人の決着のつけ方の意味するところを考えると、もうこれ以上ない幕引きだったと思える。ロッキー4のやり直しでない上に、ドラゴの中の変化を言葉でないアクションで描いた、考え抜かれた結末だった。観終わった人の中から「あの敵の親子がかわいそう」みたいな声が方々から聞こえてきて、もちろん境遇を鑑みればそう思う。でもロッキーの言葉を借りるなら彼らもまた「自分を憐れんではいない」はずだ。あの行動をとったドラゴとヴィクターなら、本当の意味で自分のために戦えるだろう。試合後の1カットは冒頭と同じなのにまったく違うものに見えた。

 

全体の印象として、特に振り返りの予習などをせずに公開日に観た1回目は、ぶっちゃけそこまで来るものはなかった。するまいするまいと意識していたのだけど、やっぱり前作と頭のどこかで比較してしまっていた自分はいた。今作は前作より印象的なシーンが少なく、特に前半は割と淡泊な感じすらあって、ドスンとくる感じがなかったなという印象が先行した結果だと思う。敢えて言うならファイトシーンの迫力や、要所要所の劇的な演出はクーグラーの方が上手で、自分はそっちのが好みだった。かな。というのは。ある。

 

いやでもスティーブン・ケープル・Jr.は立派に役割を果たしたよ。素晴らしい仕事だった。

 

2018年新作映画ベスト10・他の話。

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あけましておめでとうございます!!

2018年の新作映画ベスト10だヨ。

 

2018年は4月頃から通勤電車でやらなきゃいけないことができちゃってこのブログお休みしてました。ご無沙汰してました。これを機にぼちぼちリハビリしてく所存です。前は新作全部書いてたけど、2本に1回ぐらいは書きたい…ですね。

 

映画館で観た新作は45本で2017年から10本減ぐらい。乱雑な感想とまとめたので読んでやって下さい。

 

 

10位:ゲッベルスと私

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7月26日、神保町シアターで。

 

ナチスドイツの宣伝大臣・ゲッベルスの秘書を務めていた御年103歳のブルンヒルデ・ポルゼムの証言を収めたドキュメンタリー。

 

ドキュメンタリーなのに、ファーストカットから「これは!!」と思った。コントラストをバッキバキに強調した白黒の画面に深く刻まれた皺、分厚い眼鏡のレンズ、憂いに満ちた眼差しが後悔と共に過ごした年月を一発で感じさせたから。被写体として優秀な人。

 

インタビューとそれを裏付けるような当時のフッテージが挿入されるので、納得度が高くテンポもいい。

 

当時無知で条件の良い仕事を言われるままこなしていた彼女を責める気は毛頭ないけど、この映画を観た後では、無知が無罪とは思えなくなってしまう。思い出したくもないだろうに、わざわざ矢面に立ってくれたことに感謝。

 

 

9位:寝ても覚めても

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9月8日、テアトル新宿

 

突然失踪した元カレに未練たらたらなまま性格は全く違うけど顔は同じな今カレと付き合ってたら元カレ再登場でどーしよーッ!?っていう感じの話。

 

麦(元カレ)と朝子の関係性が突飛すぎて、ラストシーンをやるために2人が動かされてる感じ、つまりあまり血が通った人間に見えないって不満もあるんだけど、ラストが見事だったので結局ランク入り。ラストはぐちゃぐちゃだけどキャラが生きてる感じがしたという意味で去年のベスト『あゝ、荒野』と対照的な気がした。

 

衝動で結ばれた恋人と情で結ばれた夫婦の対比が非常に映画的に表されてて見事だった。つまり、前者同士は向かい合ってお互いを見る構図が多いんだけど、後者は同じ方向を向いて何かをしているのが多いんですよ。この対比がシビアだけど、うわー映画っぽ!!って感服した。濱口竜介監督、噂に違わぬ逸材でした。

 

 

8位:カメラを止めるな!

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7月9日、新宿K'sシネマで。

 

観た直後「こんなん誰がどう見ても面白いし海外でもかかんねえかな」とツイートしたんだけど、これはどっかの映画祭とかに引っかかってかけてくれないかな程度に思ってただけで、まさか日本中のシネコンにムーブオーバーして流行語大賞にノミネートされるなんて夢にも思ってなかった。

 

準備パートを経て再びファーストシーンに戻った時の、「同じことやってるのに響きが全然違う!!」と興奮と大笑いが同居した感じは忘れられないだろうな。上田慎一郎監督の今後のフィルモグラフィーがどうなるのか非常に気になる。

 

 

7位:志乃ちゃんは自分の名前が言えない

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8月3日、シネ・リーブル神戸で。

変なホールの地下みたいなとこにあってわかりにくかった。

 

吃音でうまく喋れないけど歌が上手い志乃ちゃんと弾き語りやりたいけど歌が下手な加代ちゃんがデュオで路上ライブとかやり始めるんだけど、クラスで浮いてる男子の介入とかで色々ある話。

 

神戸旅行に行ったとき予定が合ったから観たけど、思わぬ掘り出し物で嬉しくなった。

 

互いのコンプレックスや不得手を認め合う美しさにニヤけ、思春期のアイデンティティの脆さはもどかしい。誰も悪者ではない。痛さの先に踏み出した時新しく射す光に感動。こういうの本当弱いっす。そのうち新しくできた友達に笑って話せる思い出になるといいよね。

 

あと田舎の海辺の町が舞台なんだけど、ロケーションが最高だった。どこなんだあれは。

 

 

6位:華氏119

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11月16日、TOHOシネマズ新宿。

 

マイケルムーアがトランプ撮ったら面白いジャーン」と意気揚々と足を運んでやられた。トランプのことは冒頭で軽く小バカにして終わりで最早ムーアの眼中になく、トランプと同じく資本家目線で政治を動かすやつが何をやらかしているのかを中心に、現在のフッテージのパッチワークを通して観客の目線をも未来に向けさせようとしていたところに感心した。

 

ゲッベルスと私』と同じく、大衆の無関心や諦めがのさばらせる欲望の危険性を(こっちはいくらかライトに)説いているように感じた。

 

世界はやらない善人よりやる悪人が動かしている。船が止まれば流れに流されるしかなくなる。今日本のどれだけの人が自分のオールを手放していないのか、そもそも持っていることがわかってるのか。映画館を出た後の歌舞伎町の景色が気味悪いぐらい違って見えた。

 

何より8:2で負けると予想されていたトランプの当選をムーアが的中させたという事実がこの作品の価値を押し上げてる。観てよかった。てかまあ単純に面白いよ。

 

 

5位:バンクシーを盗んだ男

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8月17日、新宿シネマカリテで。

 

世界的かつ正体不明のストリートアーティスト・バンクシーパレスチナに出現、イスラエルとを分断する高さ8メートルの壁に1枚の絵を描いた。その絵が住民たちの反感を買い、切り取られ売り飛ばされてしまう。実行した内の1人のタクシー運転手への密着をはじめ、負の側面も含めたその影響を記録したドキュメンタリー。

 

2016年、『バンクシー・ダス・ニューヨーク』でバンクシーの作品がニューヨークに巻き起こしたムーブメントを初めて目の当たりにした。とりわけ印象に残ったのが街中の作品の前に居座って「バンクシーのアートを見たけりゃ俺に金を払いな」とか言い出す屈強な黒人。自分には、言ったら壁の落書きが人々の行動に与える影響が興味深く見えた。

 

話は逸れるけど、この映画を観る1ヶ月ほど前にも同じような体験をした。金沢旅行の中で現代アートの展示で有名な21世紀美術館に足を運んだ時のこと。インドネシアの45歳の女性の個展だったんだけど、作品を見れど見れど全く意味は分からなかった。2m×2mぐらいのキャンバスに、ある程度色が統一された絵の具が無造作(に見えた)に踊っている作品が大半を占めていた。たまに何らかの形に見えるものがあり、「これ龍じゃない?」とか言いながらぷらぷら鑑賞した。

 

作品自体に対しては始終そんな感じだったんだけど、見ている間「この作品から何かを受け取り、価値を見出し、値段をつけ、買い取り、運び、展示する『人間』がいる」ということが面白くて仕方がなかった。大学生の時授業で岡本太郎の勉強をしたことがあって、今思えばその時も同じ感覚を覚えていたような。

 

という訳で、この映画はそんな自分の興味の器を溢れんばかりに満たしたくれた。謎の男の壁の落書きが人々の中の何かを刺激し、行動させる。その渦中に一歩踏み込んでそれぞれの感情、考え、スタンスに迫る。人間と作品の関係性って面白いなあとつくづく思った。この手の作品があったら是非教えて欲しい。

 

 

4位:アベンジャーズ インフィニティ・ウォー

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4月27日、立川シネマシティ。他2回。

 

最初チャンピオン枠というか特別賞的なとこに入れようかと思ったんだけど、そっちは別の作品にしたので、真っ当にランキングに入れて考えたらまあこの順位になるよねという。

 

サノスを軸に据えた極めて整理された話運びのわかりやすさ、各キャラの見せ場の用意周到さ、アクションシーンのかっこよさ、終わった後の劇場の空気、本当に言うことないっす。ブラックパンサーしかMCU観てない彼女を連れて行ったら「サノス先輩はいい人だ」と楽しめていたのも素晴らしいなと。

 

エンドゲーム、伏して待つ。

 

3位:太陽の塔

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10月7日、新宿シネマカリテ。

 

岡本太郎が大阪に打ち立てたあの塔は何だったのか、何なのか、何になっていくのか?様々な分野の専門家や芸術家のインタビュー映像を繋げたドキュメンタリー。

 

バンクシーを盗んだ男』と、(一見意味不明な)芸術に解釈と価値を与え動かされる人々のドキュメンタリーという共通点はあるんだけど、こっちは行動より解釈にフォーカスしている感じ。

 

太郎が万博に携わった経緯や彼の生い立ちは導入で一応やるんだけど、何せ面白かったのは語り部たちがそれぞれの立場から太陽の塔のルーツや込められた意味、類似する文化や学者の思想、この先あの塔が果たす役割を、熱に浮かされたように好き勝手語りまくるところ。

 

この人たちの様子を見てるだけであの塔にどれだけのパワーがあるのか伺える。これはナレーションを排してインタビュー映像のみを繋げたのが功奏してる。内容は勿論なんだけど、語ってる人の熱が伝わってくるのは映画ならではだと思う。

 

映画ならではと言えばドキュメンタリーにも関わらず要所要所で差し込まれるドラマパートもすごく良かった。下手すると寒い感じになりかねない気もするんだけど、現人類が滅んだ後も居続ける太陽の塔と対峙する少女というイメージが、このインタビューのパッチワークをただの資料ではなく、魂の入った映画に昇華するための芯を通しているように感じた。

 

1970年の大阪万博は「人類の進歩と調和」名の下でそれぞれの国がその国の文化や技術の到達点を展示する催しだった。それらパビリオンは跡形もなくなって、2004年の愛知万博から14年経った今も、そして恐らく2025年の大阪万博が終わっても尚そこに立ち続けて、その時の人は何かを受け取るだろうなって確信がこっちにまで伝播してきた。

 

(母校の教授が実質主演みたいに出番が多かったのに驚きました。)

 

 

2位:パシフィック・リム アップライジン

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4月21日、TOHOシネマズ新宿。

 

褒めている人をあまり見たことがない。でも俺はめっちゃ好きなんすよ。普通に考えてアベンジャーズIWよりこれが上ってことはないよ。ないけどなんかもう可愛いのよ。出来悪いけど一生懸命作った感じがどうしても好き。

 

ヒロインの子が主人公と土壇場でドリフトして前作でジプシー・デンジャーがやってた包拳礼みたいなポーズやるじゃん?やった瞬間ドリフト上手くいかなくなってぶっ倒れるじゃん?僕はここがスティーブン・S・デナイトの謙虚さの表れだと思ってて。「俺はデルトロみたいに上手くできないけど彼のことはリスペクトしてるから頑張るよ!!!」ってメッセージに見えちゃってさ。この作品のキュートさを象徴するシーンだと思ってる。

 

でもフラットに見ても前作より良いところは沢山ある。まず全編通して昼間の戦いであること。まあ絵面は夜のがかっこよく見えるんだけど、何が起こってるかわかりやすいし、イェーガー(ロボ)のディティールもよく見える。戦闘シーンの見せ方も申し分なく、少なくとも何やってるかわかんないようなところはなかった(上手いかどうかは知らん)。

 

あとイェーガーvsイェーガー戦をガッツリやってくれたところ。1でvs怪獣だったら2はvsイェーガー同士の戦い見たいもんやっぱ(平成ライダーファン並の感想)。オブシディアン・フューリー(黒いロボ)が初登場するとこで海から鳥が飛んでくるとこめっっっっちゃ好き。巨大なヤツが来る!ってワクワク感をくすぐる予兆の描写が上手だとそれだけで満足できてしまう。巨大感演出も冒頭のスクラッパー(可愛い)とノーベンバー・エイジャックスのとことか良かったですし。

 

そして何より全体的に明るいところが好きだ。ジョン・ボイエガをキャスティングして昼間のシーンばっかりなあたり意図的なんだろうけど、人類が窮地に陥っていて皆割と余裕がなかった前作とは真逆のアッパーなテンションが好ましい。まあ観た時期も良かったのかな。

 

特にスクラッパー再登場(アニメみたいで最高)以降はド根性マシマシのハチャメチャ展開で笑ってしまうレベルなんだけど、「いや、でも元々ロボットアニメとかこんな感じだったよな」とむしろ肩の力を抜かれた上でライドできた。決着のつけ方は本当に「おい最後はマジンガーZでキメようぜウェェェエイwwwww」という身体は大人頭脳は子どもな作り手たちの笑い声が聞こえてくるようで、そのままゲタゲタ笑いながら富士山で雪合戦やって終わりという清々しいラストで大変元気になって映画館を出たのだった。ちなみに去年の元気映画枠は『ジャスティス・リーグ』。2019年もこういう映画に出会いたいぜ。

 

まあ敢えて言うなら前作キャラの扱いは叩かれてもしゃーないかなとは思う。僕は前作も大好きだけど、逆にこれを観て「そもそも前作も大した映画じゃなかったし、少なくともあれやデルトロを神格化してこれを叩くようなことは絶対あり得ないな」と思った。

 

 

1位:きみの鳥はうたえる

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9月28日、新宿武蔵野館

 

観た直後のツイートが端的に感じを言い表しているような気がするので貼り付け。

 

映画を観た後電車に乗ってスマホ見てると最寄り駅につくまでに覚めて現実に戻っちゃう感覚があるんだけど、この余韻から抜け出したくないな…と久しぶりに思った映画。これを味わいたくて映画館に行っている節がある。こういう時は気が済むまで線路沿い歩いて帰るんだけど、劇中の彼らの真似して缶のハイボール飲みながらフラフラ終電まで歩いた。ちなみに去年のベスト『あゝ、荒野』の時も同じような感慨に襲われて、歩いた。

 

具体的に何がよかったかと考えると意外と難しい。すごい不思議なんだけど。でも自分の日常と大差ないことやってたり、同じようなことを感じてる人たちが本当に美しく見えたからっていうのはある。大げさに言えば人生が良く思えるようになった。上のツイートの通り、その点で日本映画は日本人の僕には絶対的に分がある。三宅唱監督の映画は初めて観たけど本当に優しい人な気がした。

 

 

特別賞:ANEMONE 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

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11月14日、TOHOシネマズ上野にて。

会員デーで1100円で観れたのに6ポイント無料鑑賞使っちゃったの一生悔やむな。

 

もうこれは順位がつけられなくなってしまったので特別賞。

 

僕は賛否両論(否かなり多め)なハイエボ1も去年の4位に据えるぐらい好きなんだけど、一本の映画としてはまあ叩かれても仕方ないよなとは思ってた。

 

しかしこの2は遂に一本の映画としてもエウレカセブンの新作としても、良いものができたてよかったねえと素直に祝いたくなるような出来だった。相変わらず観客どこらかファンすら置いてけぼりなところもなくはなかったけど、今回は観客の手を引いて無理やり遠くまで連れて行くようなパワーがあったのは間違いない。

 

後半の展開は「なにこれ?笑」と半笑いで眺めていたんだけど、不思議と嫌な気はしなかった。ガリバー可愛いんじゃ。そしてラストでまんまとやられた。お前とも長い付き合いだけど貫禄がでてきたよね。

 

そもそも僕はテレビ版は好きだけど大して良くできたアニメではなかったと思ってるので、このハイエボシリーズは既にテレビ版を凌ぐ出来になっていて全肯定したいレベルになってる。ハイエボ3も2の路線で駆け抜けて欲しいなあ。超期待。

 

 

というわけで2018年のベスト10+特別賞でした。ドキュメンタリー映画の面白さに目を開かされた年だったので4本ランクインという結果に。

 

次点は以下。

来る、ギャングース日日是好日愛しのアイリーンちはやふる 結び、スリービルボードブラックパンサーいぬやしき君の名前で僕を呼んで、斬、

(ちなみにアベンジャーズ IWをランキングに入れる前は『斬、』を10位に据えてた。)

 

ワースト。2018年は本当に「こりゃダメだ。クソだ。悪口言わなきゃ気が済まねえ。」みたいのはなかったので特にないんだけど…本当に敢えて言うなら『羊の木』かな。主人公が終始何もせずに神の鉄槌でジエンドはない。バンドシーンとか会話シーンもダラダラして良い印象がない。悪い映画ではないけど全く刺さらなかった。沢村一輝がよかった。思えば2017年はワースト枠が豊作だったな。

 

あと、極個人的な不満で、今年は特撮映画が不作だった。『劇場版 ウルトラマンジード』『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判』『仮面ライダービルド Be The One』『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER』の4本。平成ライダーアニバーサリーのジオウは面白いし、来年は新元号ライダーもスタートするしとにかく今後に期待ですね。

 

旧作ベストは『シング・ストリート』。噂に違わぬ傑作でした。ラストシーンの一見壁に思える大きな存在もやっぱり君を導いてくれるよってメッセージに感動した。そしてラストの彼の表情と監督からのメッセージで好きにならない訳がない。全ての兄弟たちへ。

 

というわけで皆さん2019年も良い映画ライフを送りましょう。また!

 

 

『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER』のマイナビニュースの件の愚痴です。

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久しぶりの更新がこんなのでアレなんだけど。Twitterでブチまけられないレベルの怒りが抑えきれない。何より今日公開の映画に関することなので。

 

仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER』が本日公開になりました。その内容に関する重大なネタバレを恐らく日本初上映から1時間半程度で見出しでやりやがったマイナビニュースのクソへの愚痴です。

 

 

公開初日の朝10時の回を予約したの。その館では朝8時に続いて2回目の上映。

 

去年の今頃の映画は初日初回に行ったのかな?劇場で発表された会場がどよめいたサプライズニュースがTwitterに流れてて、「ああ、先に観てよかった」って思った記憶がある。それは次作の告知だったんだけど。

 

で、映画館に着いて9時半頃に何の気なしにTwitter開いたの。初回の上映の人は今まさに観てるところだし、さすがにネタバレはないだろうと思って。そしたらマイナビニュースさんが内容に関するネタバレを思いっきり見出しに書いた記事をアップしてたんすわ。いやショックでしたよ。正直。今回の映画は仮面ライダー映画史上でも異例の前情報の少なさで、事前の一般試写などもなかったほどだったので。

 

でもこう思ったの。

 

「公式が解禁ならマーケティング的に仕方ないし、観る前にTwitterなんか開いた俺も悪かったな」と。

 

で、観終わるじゃん。Twitter開くじゃん。そしたらマイナビニュースが謝罪してツイートと記事削除してんすよ。いや、無理くり納得して観てたんですけど俺。アホかと。

 

公開後の内容のことだから裁量がマスコミ側にあるんだろう。正式なニュースリリースなら版元から「掲載お願いします。情報解禁はいついつです。厳守。」みたいな感じで情報が来るはずだから。

 

いや、でもここまで伏せてきた東映さんの気持ちですよ。事前に情報を出してた場合のことは内容に関わるので言いませんが、一つ言えるのは伏せてたのはファンへのサプライズのためってこと。それはもう間違い無いです。

 

それを日本で最初の上映から1時間半程度でバラしたのよマイナビニュース。しかも見出しに大々的にのっけて。ファンを思う版元と無辜の観客の気持ちを話題性先行で台無しにしたわけ。しかも版元とファンって自分たちの食い扶持ですよ。それを貶めるような真似して何考えてんのマジで。

 

アベンジャーズ インフィニティウォーのラストの展開を見出しで最速上映中にやるメディアがいたかよ?頭使えよ本当に。

 

 

新作映画121: 『15時17分、パリ行き』を直近の2作を踏まえて。

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15時17分、パリ行き

監督:クリント・イーストウッド

 

ガキ使が好きな人はタイトルを聞いて和田アキ子の「15歳、公園」を思い出したのではないだろうか(?)

 

自分は観た時ホモソーシャル(男同士のワチャワチャ)と各地の美人を楽しめる一挙両得な映画だなあ、という以上の感想が特に浮かばなかった。俺がイタリアに行った時はあんなエロエロで愛想の良いホテルのフロントはいなかったしお楽しみナイトみたいのもなかったよ。

 

これで終わりでもいいんだけど、問題はこれがクリント・イーストウッドというすごい人が撮った映画ということだ。

 

3人の主人公の内2人が祖国アメリカのために磨いてきた身体能力や格闘技術がフランスの名も知らぬ人たちを守るためにたまたま役立ったという奇跡を、物足りなさを覚えかねないレベルで至極フラットに描いたことは、イーストウッドの直近の2作を踏まえると面白い。

 

‘15年の『アメリカン・スナイパー』はイラク戦争愛国心から敵兵を殺しまくってPTSDになった男の話だった。昨年の『ハドソン川の奇跡』はプロフェッショナルが事故から市民の命を守ったが、その判断は正しかったのかどうか検証する映画だった。設定だけ見たらこれらのハイブリッドみたいだ。全部実話なのに。

 

『アメリカン〜』は原作である手記からの設定を変更したり、演出もかなりフィクション寄りだった。敵国の子供を射殺したり、実際に存在しなかったライバルのスナイパーを登場させたり、映画用に手が加えられていた。ここは事実に基づいてるかどうか知らないけど、PTSDの影響から自分の子供に銃を向けるシーンなんてのもあって、イーストウッドは少なくともイラクへの派兵に懐疑的で、その傷を負ったクリス・カイルの悲劇性を強調したいように見えた。

 

ハドソン川〜』はパリ行きに近いテイストの作風で、実際の事件をありのままに近い感じにやっている風だった。面白いのはその判断の是非を問う調査委員会のやり取りに重点を置いているとこで、単なる英雄譚にはしないという姿勢。単なる賛辞にしたければそれまでの彼の一生でも描くことができたはず。

 

じゃあ今回のパリ行きはどうだったかと言うと、表面上の淡白な作風でもってあえて一定の着地に誘導せずこちらに考える余白を与える感じは『ハドソン川〜』のそれを引き継ぎつつ、裏には『アメリカン〜』で描き込んだ戦争や愛国心への皮肉の血が流れているように感じた。「本当は故郷のために敵国の兵士を殺すために培った力が、旅行で訪れた他国の人間を守るためにたまたま発揮された」という事実をわざわざ映画化したのには、そういう意図があるように思える。

 

まあ観てる時は1ナノも思わなかったけど、改めて考えれば味わい深い映画だなあと。勝手にイーストウッド10年代アメリカ3部作って呼ぼうかな(ネーミングセンス)。次は『ジャージー・ボーイズ』みたいのでも全然ウェルカムっすね。

新作映画120: 『ブラックパンサー』

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監督:ライアン・クーグラー

出演:チャドウィック・ボーズマンマイケル・B・ジョーダンルピタ・ニョンゴダナイ・グリラマーティン・フリーマンダニエル・カルーヤレティーシャ・ライト、ウィンストン・デューク、アンジェラ・バセットフォレスト・ウィテカーアンディ・サーキス、ジョン・カニスターリング・K・ブラウン 他

 

※おおすじネタバレしてます※

 

ご無沙汰でした。2ヶ月弱放置するとなにから書いていいかわからない

 

クリード』のライアン・クーグラーの続編がMCUの最新作って!!って!!とラン・ザ・ジュエルズの曲が使われたティーザー予告をリピートし続けていた。実際観てみると予想以上に単体の映画として完成度が高くて、何よりライアン・クーグラーの映画になっていて素晴らしかった。敢えて言うならアクションシーンの決め手に欠ける(1番の見せ場が2つある予告の両方で使われていたのも痛かった)かなあというぐらい。

 

父が子に故郷の歴史について語る冒頭のシーンは、1回目の鑑賞と2回目のそれでは趣きや響きの重さが全く異なることは観た人ならわかるだろうけど、それには2つ理由がある。1つは会話をしているのが今作のヴィランのエリック・キルモンガーとウンジョブであることがわかるから。ちなみに僕は初見時二人がマンションの部屋で再会するとこで気づきました。

 

そしてもう1つが、そのやりとりのシーンの最後が幼子のある一言によって締めくくられることにある。それはワカンダが自らの国の秘密や利益、平和を維持するために国外の問題に対して無干渉を決め込んできたことに対する「どうして?」という言葉。このあまりに純粋な疑問がこの作品を貫くテーマであり、その後の悲劇をきっかけに疑問は疑念に変わり、男は復讐に挑む。

 

バックボーンといい、監督の盟友であるマイケル・B・ジョーダン(実は同じMCUのファルコン役のオーディションに落ちた過去がある)というキャスティングといいドラマの主演だったし、MCU最高のヴィランの一人なのは間違いないと思う。貧民街で育った黒人が自分の出自に疑問を持ち行動するっていうのはクーグラー監督の過去作『フルートベール駅で』と『クリード』のハイブリッドみたいな設定だし、それが一国や地球規模にスケールアップしていくのがMCUならではだなあと不思議な感慨があった。

 

それに対して一応の主人公であるティ・チャラ陛下はいまいち弱い。実質の世襲制である王座もブラックパンサーとしての資格にも、「そういうもんだから」以上の動機が見えてこない。しかし尊敬する先代の王である父が犯した過ちを知り、再び対面した時彼は初めて感情を剥き出しにして怒る。そして父の過ちが生んだ悲しき怪物を退け、彼の意思をも継いだ若き王は、先代王が降りたつことのなかった、アメリカの貧民街の地面を踏む。終わる頃にはワカンダフォーエバーと叫びたくなっていた。

 

国連の前で自国の技術を提供することを宣言したことに突っ込まれてニヤニヤする陛下は観客と同じ気持ちを共有していて最高だし、「この宣言をした直後に宇宙を脅かすヤバいゴリラと地球を守るためワカンダで決戦を繰り広げるんだな…」というMCUならではの感慨に浸れるのも良い。

 

いや素晴らしかったです。2もクーグラー監督に続投して欲しいけど果たして…?

新作映画119: 『犬猿』 (一人っ子の感想)

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監督:吉田恵輔

出演:窪田正孝新井浩文江上敬子筧美和子

 

 

女女男三兄弟の真ん中の人と一緒に観にいった。あの姉妹のようないがみあいは実際にあるらしい。身体的なこととか、現在の状況に関することとか、恋愛的なこととか、メンタル的なこととか。そういう姉に対する嫉妬、また自分もたまに嫉妬されるところもあるということを、彼女は劇場を出ると聞いてもいないのに語り始めた。良くも悪くも見えてしまうんだろう。普段話を聞いていたり、実際会ってみたりするとと仲の良い兄弟なんだなと思っていたけど、そういう話は比較的少なめだったので興味深かった。ちなみに弟と包丁持ち出すレベルの喧嘩をしたことがあるという話を初めて聞いた。映画と同じぐらい面白かった。

 

窪田正孝ファンの友人は姉弟の長女なんだけど、逆に観ている間弟のことは一切頭に浮かばず、ただただ人として各キャラに思い当たるところがあり心に刺さったという風に語っていた。異性の二人兄弟だとそういうもんなのかな。ちなみに一番感情移入したのは新井浩文演じる兄だったらしい。すごい。

 

自分は一人っ子なのでスクリーンとの距離が縮まるような気持ちにはならなかったけど、至極真っ当に面白く観た。

 

「兄弟ってこういうものなんだなあ」としみじみ思ったのは弟と妹が遊園地でテーブルを挟んでする会話のシーン。どちらかが相手の兄弟の悪口を言えば、普段は嫌っていてもその場にいなければちゃんと庇ってあげたりする。良くも悪くも特別な存在なんだろうな、ということは作品のテーマではあるだろうけど、あの1シーンにはそのエッセンスが凝縮されていた。

 

笑った直後にいたたまれない、笑ってしまった自分に気まずさを覚える感じもよかった。姉が、妹と弟が付き合っていると知った途端それまで下請け企業の社長として、恋する乙女としてへーこらしていた態度をひっくり返して攻勢に出るシーンが筆頭。「そんなことしちゃってえ」なんて笑っていると弟にマジギレし始めてしまいには妹にも露骨に酷い仕打ちをし始める。お金払って映画観にきてるのになんでこんな思いしなきゃいけないんだと(無論良い意味で)ゲッソリ。かと思えば姉が兄にベビースターをぶちまける場面で「やべえやべえ」なんて焦っていると思わぬケミストリーで思わず吹き出してしまったりする。終始吉田恵輔のニヤけ面が頭に浮かんでいた。

 

ただ救急車中のやりとりで冷めてしまったりして吉田監督の過去作に比べると秀でた感じはなかったというのが正直なところではある。俺4人の昔の写真がチラッと映るだけですげー笑っちゃったから回想シーンとかは心底要らなかったんだよ。ヒメアノ〜ルの麦茶で味しめてんじゃねえのって感じまでしてしまって。かと思えば露骨にアドリブ合戦の病院の屋上シーンとかはいいんだよな〜。総じて楽しかったですよ。誰かと語るのが楽しい映画。

 

 

新作映画118: 『羊の木』

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監督:吉田大八

出演:錦戸亮松田龍平、水澤紳吾、優香、市川実日子北村一輝田中泯木村文乃松尾諭

 

 

※内容に触れております※

 

 

スリー・ビルボード』に続いて、吉田大八というだけで一切何も知らずに観た。というのがあって明らかに様子がおかしい人たちばかりが街にやってくる最序盤は楽しんだ。銘々掴みとして個性的。

 

その中でも松田龍平演じる彼の導入はそれまで主人公が行ってきたルーティンをぶった切るという方法で異質さを表現していて良かったと思う。まあこれ観てる時は忘れてたんだけど、観終わってみるとあの飯屋の前でのやりとりで最初っから他の5人の中から更に浮き出た存在ということを表してたんだなという納得をした。

 

ただ6人がそれぞれの場所に収まった〜中盤にかけて、上司と二人きりの部屋でプロジェクトの説明を受けるとことか、倉庫で幼馴染3人がバンド練習するとことか、観ていてシンプルに退屈さを覚えることが多くなってきた。一応上司が「6人が結託したらとんでもないことになるよ」ということを匂わせることでサスペンスが発生したから、じゃあ北村一輝演じる男は台風の目になって面白いことになるだろうという期待で観ていた。多分ここで前述の冒頭の松田龍平の導入のことを忘れたんだと思う。

 

結果的にいろんな意味でその期待は裏切られたと言っていい。一つはジョーカーが北村一輝でなく松田龍平だったこと。さすがにあんなわかりやすいキャラ付けの北村一輝が悪さするだけとは思ってなかったけど、松田龍平が息をするように彼を殺すシーンはさすがに驚いた。

 

導入の飯屋の前でのやりとりは、会話として見れば「主人公がいつも言ってることを初対面の彼が先んじて言う」という意気投合の予感を示すものだけど、映画的に見ればそれまでのシーンとしてのルーティンを壊す異質の存在という意味でもあったということなんだろう。

 

そう考えれば最終的に彼に話が集約されていくのは納得できなくもない。映画化にあたって単純化されたレイヤーとして考えれば「一般市民→殺人の前科持ちの人たち→松田龍平」と受け入れ難さや嫌悪のハードルが上がることになるわけだから。

 

自分はこの映画に物足りなさを覚えるわけだけど、一つの理由は多分主人公の弱さにと思う。アクの強い前科者を受け入れる市役所職員だから強いキャラ付けをせず、彼にあまり自発的な行動もとらせず観客であるこちらに投げかけている意図も感じなくはない。でも、いかんせん6人の受け皿に徹しすぎている感じはした。明らかにヤバい雰囲気の中、夜中に崖を見にいくのに付き合ったりするのには話を回すために都合良く動かされてる感じすらしてしまった。

 

僕は「土着信仰が受け継がれる閉じた街にやってきた6人の異人」という設定から社会的なせめぎあいという真面目さをイメージしていた。それをあくまで個人レベルの話に留めたのは良いんだけど、そこの決着というか決断を人ではなく神という人知の及ばないスケールの存在に委ねたのにモヤモヤする。これは上述の主人公の薄さにも繋がるところ。そこを面白さとして取ることも可能だとは思うけど自分にはいまいちピンとこなかった。

 

監督の前作『美しい星』に似た後味のようにも思うけど、あの突き放され方に感じる謎の快感みたいなものはないかな。でも前作と同じく感想書くのは楽しかった。吉田大八監督は最近は映画を持ち帰る楽しさに長けた作品作りをしているように思う。次も楽しみです。