静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

何故映画を観るのかみたいな話。 接触篇③ 『SR サイタマノラッパー』

お久しぶりです。多分自分がお久しぶりだと思っているだけです。前のスパンが短すぎただけで。 

(核戦争後の)ボストンに(PS4内で)滞在していて映画館にも行かず、新作も観てない。見切り発車で始めたブログを更新したくて、自己紹介も兼ねてこんな記事を書いてるのですが、今回で接触篇は最終回です。発動篇は無限力が発動したら書きます。

僕が映画にハマるきっかけになった、『パシフィック・リム』『クロニクル』に続く作品は『SR サイタマノラッパー』でございます。これはDVDで。

『クロニクル』の評論で宇多丸のムービーウォッチメンにすっかりハマってしまった僕はネットに落ちてる(半公式)アーカイブを漁るようになっていた訳です。その時知ったのがSRの第1作でした。

アンテナ張らずに生きてて出会う作品では到底描かれないであろうマイノリティーにガッツリ感情移入してしまったという点では『クロニクル』にかなり近い感想なのですが、本作で際立って印象的だったのはやはりラストの長回し、終わり方、そしてエンドロールの流れに尽きます。 

初めて観た時は「これで終わり!?」と本当に驚きました。困惑。それまで音楽映画は「主人公たちが努力して困難を乗り越えて大勢の人の前でライブやって認められる」ものだと思い込んでいたからです。高校生の時友達と観に行った『BECK』こそが音楽映画だと思ってたんだもん。いやベックの悪口じゃないよ。一応。

なんですけど、エンドロールでSHO-GUNGが歌う「俺らSHO-GUNG」を聴いている内に「あれ、この曲はあのラストシーンの前にレコーディングされたのか?それとも、あの後再結成して…?今あいつら何やってんだ?ライブやったの??」とか猛烈に気になってしまったんですよね。観ながらそんなこと考えてる内に「あ、俺はあいつらのことが愛しいんだ」とわかってしまった。その場でもう1回、続編もその週の内に観たような気がする。

1回目に関してはエンドロールで9割以上持って行かれて、あれは完全に作品の一部だったなと思ってます。因みにそれ以来、どんなにダメな映画でもエンドロールで席は立たないようにしてます。

そして、あのエンディングがあったからこそ、唐突にも思えるラストシーンも受容できたのだと思います。これもまたクロニクルの繰り返しになってしまうけど、映画の多様性や懐の深さを感じてしまった次第です。こんな終わり方してもいいんだと。

しかもこんな内容の作品をインディーズで撮ったっていうのがまたグッときますよね。ていうかインディーズだからできたんでしょうか。つまり誰に頼まれた訳でもなく、お金を貯めて、人を集めて作ったということですから。

前回からも繰り返しになりますけど、誰に頼まれた訳でもなく僕と同じ「言うべきことを自分自身で持ち合わせていない若者」が「自分の言葉を獲得するまでの過程」を愛情深く描いてくれる人が、しかも日本にいるという事実に励まされたというのもあります。IKKUを観ると俺もやってやるという気持ちになります。

僕も語りたいことを持ってない若者ですけど、そういう語るべきことを得るために映画を観ているのかもしれません。自分探しっていうか。これに関しては自分なりの考えがまとまったら(発動篇で?)また書きたいと思ってます。


前回の記事から地味に1週間で100PVほど(8割以上Twitterから)頂いて、(普通どんくらいなのか知らないですが)予想外に多くて驚いてます。特にコメントしてくれたブロガー先輩で映画飲み友人でもあるけんす先輩ありがとうございます。お礼ついでにブログのリンクを貼らせて頂きます。

魅力が言い尽くせないのですが、客観的なようで主観的、主観的なようで客観的な文体が面白いし、僕が一切無知な演出や表現に関しての意見が多くて勉強になります。ここまで理路整然と書ける人ってそんなにいないと思うので是非ご一読ください。

http://roomamole.blog107.fc2.com

多分これからは新作レビューが多くなると思います。気が向いたら旧作や特撮絡みとかも。よかったらよろしくお願いします。では。