読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー:001 『ベテラン』

『ベテラン』
監督:リュ・スンワン 主演:ファン・ジョンミン

2016年映画館一発目が『ベテラン』というこの乗り遅れぶりである。公開から1ヶ月してようやく観に行けた。しかし、映画館初めが本作とはまことに景気が良いスタートが切れたような気がしている。それぐらい痛快な一作だった。

今まで韓国映画が面白いのは「良いやつしか日本でやんないからでしょ」とか「韓国映画担当の買い付け担当の人の鼻が効くからでしょ」とか考えていたけど、純韓国産の本作が1200万人動員で大ヒットしてる上でこんなに面白いんだから最早ぐうの音も出ない。

やはり日本映画との地盤の強さの差を感じてしまうところが主に2点あって、1つは序盤に出てくるロシア人。「外人が出て来る日本映画はハズれが多い」などと言われるのを耳にするし、僕もそれは思わなくもない。普段洋画も観てるからスター達と比較してルックスや演技がしょぼくてがっかり、出てるシーン全部ノレないみたいなことが正直あった。ちなみに去年の今頃にも。
一方本作のロシア人は本場の人っぽかった。ハリウッドの映画にいそうなんだよね。もうそうとしか言えない。顔つきとか。『トレインスポッティング』で主人公たちがホテルで麻薬取引するシーンのロシア人みたいだった。

もう1点は公道でのカーアクションの多さ。ソウルで実際にやってるようにしか見えなかったのだがどうやって撮っているんだろう。しかも高級車で結構な台数巻き込んでやってんだもん。びっくりですよ。

まあ以上の2点はもう仕組みのところから差がついてるような気もするのだけど、そういうの抜きにしても役者のパワーや演出など現場レベルで何とかできるところも素晴らしかった。それが全面的に出ているアクションシーンがいちいち楽しい。マーシャルアーツは全面的にキレキレで、結構なカットを割ってるのに位置関係ややってることもわかりやすい。振り付けのスピード感が途切れない。
まあこの点に関しては『るろうに剣心』シリーズや『SP』もそんなに見劣りしてない気はしますが…。
あと、武器や身体だけじゃなくて周りにあるものを使って戦うのって韓国映画の得意技なんでしょうか。あれ楽しいのでもっと観たいです。

残念だったのは中盤のアクションの見せ場の直前に寝てしまったこと。残念なのは全面的に僕の方なのだけど、もう少し早めにやってくれれば個人的になお良かった。あとラストバトルは冒頭言ったセリフを繰り返すカットが震える程のかっこよさだっただけにもう少し主人公がやり返してくれれば……などとも思った。

繰り返しになりますが、総じてレベルの高い娯楽作で、しかも純国産で大ヒットさせてるという事実にに嫉妬。あとチョン・マンシク(『最後まで行く』『息もできない』『群盗』『哀しき獣』)が出てる作品はハズれないっすね。後ろの2本まだ観れてないのでチェックしときます。