静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー005: 『オデッセイ』 ※ネタバレ無

『オデッセイ』
出演:マット・デイモンジェシカ・チャスティン、マイケル・ペーニャ

はい、自分でもこのくだりもういいわと思いつつ、例によってリドリー・スコットも観たことないです。多分『ザ・ウォーク』の時も同じこと書くから覚悟しといてください。あ、BTTFは観たか。

まあそんなわけで「火星DASH村」とかでTwitterの一部が盛り上がってる本作を観てきましたよ。ずいぶん前から劇場で予告がかかってて、「宇宙兄弟」と絡んでたり、結構な宣伝の推され方でしたね。祝日の夕方にTOHOシネマズ新宿で観たんですけど、多分一番大きいハコが9割5部埋まってました。

うむ、今年は世間の評判と自分のそれのギャップに苦しめられる年なのかな?僕はいまいちピンとこなかったです。いや、ダメだったとか言うほどではないんですが……本当に可もなく不可もなくで。

皆さんの言う通り、考えうる限り最も絶望的な状況に独り置かれたデイモン君(なぜかこう呼びたくなる)がユーモアを忘れず、DIY精神で一つ一つ問題を解決し生き抜いていく様は感動的で励まされます。

しかし、ちょっと淡々としすぎてる感じがして、そういう好ましさだけで乗り切るには尺も長すぎる。間延びしているようにも感じました。クライマックスで眠気と戦っていたというのが正直なところです。

それだけに僕がいちばん好きなのは中盤の勝ち確定ムードからのアクシデントドーン。そしてそこから命の糧を数えるデイモン君が容赦ない火星の風を聞きながら、声にならない声を漏らすシーンです(アドリブっぽいと思ったけどさすがにそれはないか)。あそこの絶望感はかなりのもので、地球の映画館で人に囲まれてるのになんか胃がキリキリしましたよ。「どうすんだこれ…」と。この振り幅がもっと欲しかったかなあと。やっぱり全体的にドラマや成長が弱い気がします。

この映画の人たちって皆やるべきことがわかってるから、それをどうやるのかということに面白みが生じるのではないかと思うのですが、そこは割と説明しがちだったし、そのくせ専門用語とか入れてくるから高1で科学の知識が止まってるこっちとしてはいまいち入ってこない。とにかくやるべきことを淡々とやってるだけな感じがこの起伏のない感じをもたらしているのではないかなと自分では思ってます。

芋とか水とかスイングバイ的なアレとかやってること自体は面白いんだけどなあ。なんかもやもやするんだよなー!