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静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー008: 『ザ・ウォーク』 ※ネタバレ有

『ザ・ウォーク』

 
 
バカなので高いところが好きです。なんか無性にテンション上がります。笑っちゃいます。都庁の展望台とかタダで行けるから好きです。まだスカイツリーは登ったことないんですよね。都内に住んでるといつでも行けるからつって逆にね。
 
で、今回割と楽しみにして行ったらさ、XpanD3Dが絶不調だったんですね。真ん前の席だったし、途中で席立つのやだしその内直るかなと思って観てても全然ダメで…。立体視できてないどころか終始何かしら2重になってるような感じで、正直半分も楽しめなかったんじゃないかと思ってます。そんな人の感想です。まあ、立体視を活用した綱渡りは皆褒めてるところなので他のとこについて書きましょうかね。なのでネタバレ有です。
 
まずこの主人公、いくら高所好きの僕でも相当なサイコ野郎だと思いますよ。なんか子どもの頃からの夢だし皆楽しませてるからってちょっと美談っぽくなってるけど個人的には『ナイトクローラー』のあいつに比肩するレベル。ただ、僕はそういう人を描いた作品は『サウルの息子』の時も書きましたけど大好物なはずなんですよ。「ハタから見たら狂人(あるいは変人)でも本人にとっては切実」というのは。
 
でもなんかプティ君には入り込めなかったな。多分迷いがなくて、周囲を巻き込みまくって無茶やる感じが自分ではないなってことなんでしょうね。能動的で向こう見ずなところというか。まあでもそこは素直に見習いたい。あれだけ無茶苦茶な夢にあれこれ考えずに賭けられるっていうのは。サイコだし犯罪者だけど結果出して人々に賞賛されてるわけだし。
 
ていうか彼に切実さはハナっからなくて、多分縄の上じゃなくても生きられるんですよね。やらなきゃいられないってだけで。生き方プラスアルファとしてのツインタワーという風に見えたというのがハマれない理由なのかなあと。
 
それを支えるヒロインの立場がものすごく薄いのも気になっちゃって。思いやりのない言い方をするなら存在意義が右肩下がりというか。パントマイムのとこが良いシーンだなあと思っただけにちょっと残念。キャラとして一番好きなのは高所恐怖症のあいつです。一番成長してるし笑。
 
あと、後から振り返る形の語りってのもちょっと興が削がれる感じはしちゃいまいした。いくら実話ベースでも、結果は知りたくなかったなあ。ジョセフの軽妙な語り自体は好きなんですけど。加えて、その語りシーン以外で心情や状況の説明に本人のナレーション使うのはめちゃ冷める!
 
ここまで書いてて思ったんですけど、ロバート・ゼメキスにそういう感情の動きや心の起伏を求めるのが間違ってるのでしょうか。同じことが『オデッセイ』のリドリー・スコットにも言える気がしますが。やっぱりその辺は監督の作風や作家性によって見方を変える練習をしないとなあ。
 
話を戻して今度は良かったところについて。意外にもケイパーもの要素があって、尚且つハラハラさせる演出は「あ、やっぱりバックトゥザフューチャーの監督なんだなあ」と思いながら楽しく観られました。あとビルの最上階で全裸で暴れた挙句目当ての物が下の方に落ちてたとかちょっとバカバカしくて笑いました。
 
あとラストのツインタワーを長々捉えたショットは「ああ、そういえばこの風景ってもう見られないんだよなあ」と不思議な感慨にふけってしまいました。貰ったパスが期限がforeverってのが皮肉ですよね。切ねえ。
 
まあ全体的にはアクシデントで肝である綱渡りがほぼ楽しめず消化不良だったのですが、それでもまあ観て良かったかなとは思います!ゼメキスだしね!(投げやり)