新作映画レビュー019: 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』 ※微ネタバレ有
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』
監督:ザック・スナイダー
脚本:クリス・テリオ、デビット・S・ゴイヤー
前作にあたる『マン・オブ・スティール』はまぁアレでしたけど、「バットマンvsスーパーマン」って言われたらワクワクするよ。どうやって倒すのとか、前作の大破壊どうしてくれんのとか気になるところも多々あったし。
結果的には結構満足してます。主に前作で描かれた笑っちゃうぐらい最強なスーパーマンにタメを張る人間バットマンの最狂ぶりに。ベン・アフレック版バットマンは単体作もやるらしいけど、どうせならやっぱそこはちゃんと単体で1やってからぶつけて欲しかった。
それだけベンバットマンを気に入っているということでもあるんだけど、加えてワンダーウーマンやらレックスルーサーやら世論やらヒロインやら要素が大杉漣だったので、やはり全体の描き方の薄味さは否めない。やっぱりバットマンの地元にあたるゴッサムシティの様子なんかはもっと描いて欲しかった。しかも原作コミックネタも仕込んであるらしく、アメコミ弱者の僕は十分に楽しめたとは言えない。
んだけど、特撮ヒーローものが好きな僕としてはやはりヒーローバトルは燃える(シビルウォーも楽しみ)。嫌う人も勿論いるけどね。なんだろう、本来団結すべきところの者同士が戦うところの背徳感が僕は好きなのかも。あるいは「個々人の命を尊重し、それを救う力を持ち、またそれを行使しようとする者」がやり方を巡って価値観をぶつけ合うっていうところに人間臭さを感じてしまうからなのかも。理由はまだわからない。
話は戻るけど、その点ベンバットマンは人間臭さを通り越して狂人の域に達しているのがわかって僕は好きだった。犯罪者を自称し、「敵になる可能性が1%でもあればそれは敵だ」などというぶっ飛んだ名言(迷言)を繰り出しながら夜な夜な犯罪者を粛清していく様は、僕の中の「ヒーロー」の定義を大いに揺さぶるのに十分なキチっぷりだった。スーパーマンとの決戦時のファイトスタイルとかもう悪役レスラーかよって笑
そんな彼にも悲しい過去が2つあって、その内の一つが何を隠そうスーパーマンのせいであるっていう設定がすごいよなあと。ブルース・ウェインが地上からスーパーマンたちの戦いを見上げる冒頭のくだりとか最高にワクワクしたし。相対的にあのスーパーマンも禍々しいものにちゃんと見えたし。
皆大好きワンダーウーマンに関しては登場のタイミングがスーパーマンの宇宙からの復活と被ってたり、あのかっこいい劇伴が3回目でもう慣れちゃってたりして思いの外アガらなかった…けどかっこよかった。くれい響か誰かが短評で「今年のフュリオサ枠」とか言ってて笑った。