静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

イベントレポート(?):川崎の「怪獣酒場」に行って来た。


皆さんは怪獣酒場なるものをご存知だろうか。

特撮に精通してる方なら常識だろうけど、神奈川県の川崎と大阪は通天閣の下らへんに店舗を構える、ウルトラマンに登場する怪獣たちが経営している(という設定の)コンセプト居酒屋である。イベントの日は怪獣が店にきて客と触れ合っているらしい。前から気になってはいたのだけど、遂にウルトラマンオタの先輩に連れて行って頂いた。ブログに書くつもりはなかったので画像は少なめ。

行った日は3月の末だった。春休み期間というのもあってか、怪獣従業員来店日でないにも関わらず、3日前の時点で予約席は満員だったので、開店40分前ぐらいから店の前で「2001年宇宙の旅」の小説を読みながら待った。ちなみに店内の半分が予約席、半分が当日席で、予約の有無に関わらず2時間制というシステムのようだった。

僕がヒトザルがモノリスに触れた時のモノリスの変化の描写を読んでアーサー・C・クラークの表現力に感嘆している前に地方から旅行で来たと思しき4人家族が既に並んでいて、中学生ぐらいの息子がヒトザルみたいな動きをしながら母親にウルトラマンうんちくを語りまくっていた。
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並んでる時に撮ったので見づらいけど看板。

開店15分ほど前になると、従業員の方(見た感じは人間の女の人)が、予約の有無と人数を聞きに来てくれた。先輩と合流し店内に入ると「ウルトラマンや地球防衛隊の人は入店できません。そうでないことを証明するためにそこのジャミラの口(真実の口のパロディー)に手を入れてください」という旨の説明を受け、僕は手を入れた。この時ちょっと抜けない風の演技をすると従業員の失笑が見られるのでオススメです。

我々が入った4人掛けの半個室のボックス席は地球防衛隊の戦力研究室をモチーフにしていて、上部が透明な机の中には科学特捜隊のビートル号や隊員の武器などが収められていた。
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横には科特隊の秘密を暴く重要資料が。
怪獣たちのリサーチ力恐るべし。

画像はないけど、上を見上げると『ウルトラマンエース』第13話「死刑!ウルトラ5兄弟」よりゴルゴダ星にて十字架に磔にされた(エースを除く)ウルトラ5兄弟の人形が。反対側に振り返ると、備え付けられたモニターにウルトラマンの名場面集が流されていた。怪獣酒場と言ってもウルトラマンシリーズの店だしなと思って眺めていたけど、2周見たところでやっとウルトラ兄弟がやられてる場面を集めたものだと気付き、流石怪獣酒場やで…という気持ちにさせられた。

特に『帰ってきたウルトラマン』より、トラウマシーンとして有名なスノーゴンによるウルトラマンバラバラ殺人のくだりは初めて実際に見たので驚いた。手前に子供がいて奥にウルトラマンの首が転がってくる画が大人ながら衝撃だった。一応動画。

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ちなみに隣の6人掛けボックス席。
予約すると広間席に案内されるらしいので、予約せずに大人数で行けば入れるかも。

メニューを開くと怪獣酒場限定のオリジナル銘柄の焼酎や日本酒もあり、怪獣たちがそれらを作る過程の画像なんかも乗っててね、読んでて楽しい。そのせいで注文は遅れてしまったけど、スタートは結局いつも通り生ビールを選択。偽生とペスタービールだった。銘柄はプレモル。普通に美味しかった。
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続いてバルタンハイボール。月替わりで味が違うらしく、私の時は梅酒ハイボールだった。甘い酒は苦手だけど、甘さがほどほどですっきりしててガブガブ飲んでしまった。
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せっかくなのでスペシャルメニューを頼もうということで、空きっ腹に嬉しい「カラータイマーを狙え! 初代Ver.」をオーダー。初代ウルトラマンの赤くなったカラータイマーに見立てたジャンバラヤスプーンで潰して旨辛なチキンや野菜と頂くという陰湿極まりないメニューである。辛さは控えめだけど美味しかった。
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赤いのがスパイス。よく考えるわ。

あとは普通の居酒屋メニューを食べてた。せっかくなのでもう少しスペシャルメニューを頼めばよかった。時間も迫ってきたので最後に一杯とメニューを見ると、「ビール+テキーラ」という説明書きが目に入って、興味本位で頼んでみた。ドリンク名は「酔っぱらい怪獣ベロンのベロンベロン・ボンバー」。ベロンは『ウルトラマンタロウ』に登場する怪獣で、酔っぱらって地球に迷い込み、最終的にタロウにポリバケツで水をかけられ故郷に帰るというユニークな出自の持ち主である。

席で待っていると、お兄さんが3/4ほど入ったジョッキビールとテキーラのショットグラスを持ってやってきた。「溢れるんで吸い込んで下さいね」とだけ小声で言ってくるので「(何がだよ)」と内心焦っていると、突如テキーラをショットグラスごとトングみたいなやつでジョッキにぶち込んできた。猛烈な勢いで溢れるベロンベロンボンバーを慌てて吸い込むと、なんとも言えない独特の苦味で顔が歪んだが、慣れてくると意外とうまかった。値段もビール+20円とあまり変わらず、お得な気分になった。サブマリノ(サブマリン?)っていう飲み方らしく、テキーラをウイスキーに変えてやってもいいらしい。先輩曰く韓国とかであるやつらしいよ。宅飲みでもできるね。強い人は是非やってみてほしい。
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よく見るとショットグラスが入ってるのがわかる

会計を頼むと、1人5000円だった。2時間でこの値段なので、いい感じの個人店でも行けるレベルだけど、他では味わえない楽しさだったので値段に対して満足度は高かった。ただ平成ウルトラマン要素がほぼ皆無なのが残念だったかな。私はティガ〜ガイア世代なので。もっと言うと要素はほとんど初代〜タロウぐらいで構成されてた。まあ居酒屋ってなると昭和のざっくりした愛らしさの方がマッチするんだろう。平成ウルトラマンバーとかやってくれよ。

怪獣を知ってる人なら公式サイトを見てるだけでも面白いと思うので是非お目通しください。

あ、あと他では味わえないと言えば、さっき知ったんだけど冒頭に書いた大阪の「元祖怪獣酒場」が5月末で閉店するらしい。近場で行ってない人は急げ〜。