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静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー041: 『日本で一番悪い奴ら』

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『日本で一番悪い奴ら』

監督:白石和彌

脚本:池上純哉

出演:綾野剛、YOUNG DAIS、植野行雄矢吹春奈ピエール瀧青木崇高木下隆行中村獅童

 

 

 また公序良俗に反した邦画が大きい規模で上映されてる!!楽しい!!

 

 アバンタイトルが素晴らしい。特に国歌斉唱のテンションが滅茶苦茶に高いところは普通に笑ってしまったんだけど、観た後に思えばその後のしばらくのテンションを象徴しているようで趣深い。最後の方最早声出てないところとかさ。

 

続く青木崇高にケツを叩かれながら犯人を追いあと一歩のところでピエール瀧に横取りされるシーン、取り逃がしたのを綾野剛に当たる青木崇高ピエール瀧が先輩らしく諌めるシーン、キャバクラなどデフォルメされたキャラが立ちまくっているシーンが続いてもう楽しいのなんの。カメラフィックスの早送りで課の1日を観察するシーンとかもう10分ぐらいやってていいよって気になった。

 

一番笑ったのは中村獅童と初遭遇するくだり。「はいこんちは〜」、こぼれるお茶、サプリバカ食い、世界一痰を溜めて吐いたシーンとしてギネスブックに載りそうなあれ。『アウトレイジ ビヨンド』のたけしと西田敏行の啖呵バトルぐらい好きだぞバカヤロウ。綾野剛は個人的には晩年の演技が一番シビれた。がに股で、シワとヒゲと白髪だらけでヨレヨレのシャツと短パンにサンダルの綾野剛

 

敢えて言うならドラッグ描写は物足りなかった。初めてキメた後の顔芸はすごかったけど物足りない。晩年の軽トラの中のシーンが禁断症状(?)を表していると宇多丸の評を聞いた時は膝を打ったけど…でも覆すまではいかなかった。

 

「朱に交われば赤くなる」とはよく言ったものです。集団に入れば当初の志と関係なく、パーソナリティまで染まってしまうものなのか。柔道しか能のなかった自分を拾ってくれた北海道警に恩を返したいという純粋な動機がエスカレートしてしまった結果というのがまた悲しい。実話というのがまた悲しい。あんなに笑ったのに、振り返ると悲しい話に思えてくる。