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静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー059: 『ドント・ブリーズ』

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監督:フェデ・アルバレス

出演:ジェーン・レビ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾバット、スティーブン・ラング 他

製作:サム・ライミ

 

 

評判を聞いてあらすじだけ読んでいきました。もうこれが一番言いたいことなんですけど、予想を遥かに超えて面白かったですよ。単純な面白さだけなら今年ベスト級です。僕はホラー映画が得意じゃないしところどころ半目で観てたんですけど、観終わったあとは面白さがすべてを上塗りしていて興奮が収まりませんでした。あれだけ限定された空間(2階と地下の一軒家)で盲目の老人と盗人3人がすったもんだするだけでこんなにエキサイティングなんですか?映画ってすごいね。観る前は「お、88分!丁度いいね~」と思ってたのですが「え、(良い意味で)188分と見間違えたのかな」と本当に思いました。濃かった。特濃。年末にこういうのがぶっこまれてくるからたまりません。たまんねえ!!!!

 

僕の中で「面白い映画」って得てしてその場限りのものになりがちで、観て2ヶ月もすると何も覚えてないみたいなことがザラなんですけど、この映画はそうはならなさそうです。ただのホラー映画にとどまらないものがあるというか。なぜかっていうとこの作品はホラー映画言えど、純粋な人間対人間の構図であるから。もっと言えば被害者対加害者の関係性が描かれているからだと思います。その一筋縄ではいかない割り切れなさがビターな後味として残っている。

 

個人的にはあるものを通して盲目の老人が「侵入者が3人いる」ということに気づいた時、少し怯えたような表情をした瞬間が白眉でした。この時僕は13日の金曜日におけるジェイソンだと思っていたこの老人が単なる一般人かつ一方的な被害者であることを思い出してハッとしたのです。ましてイラク戦争に従軍した結果視力を失ってその後あんなことがあったのでは全くこの人のことを怖がったり、することを非難したりなどできません。盗人死すべし!!

 

気持ちとしてはそんな感じだったのですが、それだけに止まらないのがドント・ブリーズ。おじいさんが我々の同情心を振り切るクレイジーさを発揮して話をドライブさせていくところが最高でした。かと言ってヒロインを応援するとおじいさんの口の中にあれぶっ込んだりするしもう俺どうしたらよかったんだよ。

 

勿論ヒロイン側も強盗に走るだけの動機はあったし、家主が盲目とわかれば躊躇もする人間的なところはあるわけなんですけど、だからこそ向こうも人間だからどっちが勝っても後味悪いよお。全部社会が悪い!

 

というのは冗談としても、社会問題の被害者二人が富の奪い合いをしてるっていうその様自体がホラーになってるって風刺的なところもあるんだろうかね。それもまたやだ!!でも最高に面白いのもまたまたやだなー!!!最高!!最高に最悪なのが最高!!