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静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー060: 『太陽を掴め』

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監督:中村祐太郎

出演:吉村界人、浅香航大岸井ゆきの、森優作、三浦萌、内田淳子、松浦祐也、古館寛治、柳楽優弥

 

 

大晦日ですね!良い映画ライフ送れましたか!

 

今年の映画締めは(厳密にはローグワン2回目だったんだけど)テアトル新宿この世界の片隅に…ではなく太陽を掴め!!でした!掴んだよ!!

 

新鋭の中村裕太郎監督(弱冠26歳)が若手のホープたちと作り上げた意欲作ですね。ちなみに氏の作品は『あんこまん』『雲の屑』は観てます。雲の屑は大好き。

 

今作でも終盤の熱量はさすが中村監督だなと思いました。吉村界人演じる八方塞がりな若者が、彼にとっての太陽たるヒロインを掴もうとするための我武者羅な叫びがガツンと響きました。正直達者な演技をする人ではないと思うけど中村監督と一丸となって発する熱がこっちまで伝わってくるようなシーンでした。ロケーションが割と何でもない公園のベンチなのもなんかいいよ。兄の来訪の後部屋で一人キレるシーンとか、映画全体のテンションが彼のエモさによって押し上げられていた。とても良かった。

 

ただその後の押入れの中(?)のくだりでちょっと鎮火されちゃった感じは否めない。あと内田淳子さんとの関係性は台詞じゃないところでもっと示せたらよかったと思う。「あなたは私の言う通りにしてればいいのよ」の一点張りだったから、ベッドのシーンみたいのがもっと見たかった。

 

浅香航大さんって初めてちゃんと見たんだけどシンプルにかっこよかった。黒で統一されたコーディネートとかたまに見せるちょっと荒れた感じとか…声もいいなあ。

 

岸井ゆきのさん演じるヒロインの描写にはかなり不満があった。彼女が一線を越える理由がほとんど伝わってこなかったので悪い意味で驚いた。その場の空気に流される芯の弱さを持った彼女に岸井さんのルックスや雰囲気はとてもマッチしていたと思うけど、いかんせん話の方からもっと裏打ちがあればと勿体無さを感じた。

 

なのでどうしても彼女に関しては性悪というか、劇中の台詞を借用するなら「なんなのお前」「ビッチ」という印象が拭えない。ここが一番残念に感じた。相対的にヤット(主人公)が求めるものにこっちが肩入れできず、全体的にノレない感じになってしまった。彼女を嫌っていたあの子に幸せになってほしいって思ったの自分だけじゃないよな……。

 

指摘が多めになってしまったけど、とっても応援したくなる、熱が伝わってきた作品です。

 

では皆さん、良いお年をお迎え下さい!