静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画090: 『ビニー 信じる男』

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監督:ベン・ヤンガー

出演:マイルズ・テラーアーロン・エッカート、ケイティ・セーガル、キアラン・ハインズ、テッド・レビン 他

 

 

福岡旅行で行きたかった映画館その2、福岡中洲大洋にて。一階のチケットカウンターのあるフロアの内装が洋館みたいな感じで素敵でした。上映前に流れてる曲もオシャレなの。無知なのでジャンルの名前がわかんないけど。近所に住みたい映画館でした。完全に映画館ありきで行ったのでたまたま時間が合った本作を観ました。

 

交通事故(またかよマイルズ・テラー)を起こして首を骨折したボクサー、ビニー・パジェンサがリハビリを経てカムバックしたという実話をベースにした映画。

 

事実は小説よりも奇なり、を象徴するような抑制されまくった演出が印象的。とにかく泣かせようとしたりする感じがない(僕モテメルマガで言うところの「ヤッてない」)。フィクションにしても出来過ぎに思えるベースの実話を一流の役者で忠実に撮りましたって感じなのかな。正直ボクシング映画は今後の人生『クリード チャンプを継ぐ男』とどうしたって比べてしまうだろうと思ってたので、まずこの控えめ演出は別ラインで勝負(勝手に思ってるだけ)しててよかった。

 

「諦めることぐらい知ってる 諦めることが簡単だから怖いんだ」という主人公のセリフがあった。もしかしたら彼には何かを諦めた過去があって、その味を知ってしまったからこその恐れがあったのかもしれない。だからこそ自分が手にした武器だけは手放さない。(また宣伝コピーに言い返すようでアレなんだけど)それは話だけ聞いたら狂気のカムバックかもしんないけど、物語として見ると本当に切実さだけが伝わってきた。

 

だからまあ敢えて言うなら復帰戦ぐらいはアゲさせて欲しかったってのはある。ここまて一貫して平熱で描かれるとメリハリがなさすぎというか、やってることが浮いちゃってるというか。

 

あと『ハドソン川の奇跡』もそうだったけどアーロン・エッカートは二番手でいい味出しますね。よかった。