静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー:003 『クリード チャンプを継ぐ男』 (+ロッキーシリーズ) ※ネタバレ無

クリード チャンプを継ぐ男』
監督:ライアン・クーグラー
出演:マイケル・B・ジョーダン、シルヴェスター・スタローン
 

一応ネタバレ無しで書きます

 
去年末公開ですが滑り込みで観てきましたよ。大作続編ラッシュイヤーの締め括りに相応しいビッグタイトルですね。恥ずかしながらロッキーシリーズは観たことがなくて正直あまり興味もなかったです。
 
が、主演にマイベストシネマ『クロニクル』のスティーブ役のあいつが起用されしかも1度名作『フルートベール駅で』でタッグを組んでるライアン・クーグラーがやると知ると同時にシリーズ全作予習してでも観に行く価値があると確信。1週間までロッキーマラソンしました。はい。FINALまで。4以降若干キツかったけどやってよかったです。いや本当。
 
なまじどんな感じか知ってるだけにナメてましたが、2は部屋で一人泣きました。僕は2が一番好きかも。1の直後からスタートしたはずの2なのにエイドリアンがいきなり老けてるところとかいいよね。「試合でハラハラしすぎて疲れちゃったんだな」と脳内補完したりしてましたよ。あとポーリーがシリーズ通して最後まで嫌いでした。バルボア夫妻の引き立て役とは言え余りに屑すぎて…皆ポーリー好きなのかな??まあそれはいいとして。
 
個人的にシリーズで一番好きなシーンは2のどんどん子どもが増えていくランニングですね。「最早悪ふざけだよ。デモかよ。」と心中で突っこみ、大笑いしながらも燃えました。『クリード』にもなんとなくここを想起させるシーンがあってニヤついてしまいました。時点は3のロッキーとアポロに浜辺特訓シーン。ムキムキでパン一にシューズのおっさん二人がきれいな砂浜でイチャイチャしてる様は、見てはいけないものを見てしまっている感じがして最高です。3位は1のロッキーがミッキーへの思いを一通り吐露→外に出て握手する引きのシーン。まあそれもいいんだ。
 
とにかく本作に関しては評判もかなり高く、予習もバッチリで過去最高レベルのハードルの高さで観ましたが、もうね、最高かよ?と。ライアン・クーグラーとマイケル・B・ジョーダンという2人の若き才能とシルヴェスター・スタローンという1人のレジェンド、3人を支えたすべてのスタッフに感謝します。
 
やはり「2015年にやるロッキーシリーズの第7作目」と「ロッキーシリーズを継ぐ新シリーズの第1作」という異なる2つのタスクを一本の映画で完璧にやり遂げるライアン・クーグラー監督の胆力に圧倒されました。しかもそれを「共闘」という形で、この2つを同時にやることでしか有り得ない次元の感動まで昇華させていると言ったらいいんでしょうか。もうこれ以上あるか??と言いたくなってしまう。
 
それが最も表れているのが王者と対戦する前の特訓シーンでしょう。もうロッキーのカットバックの度に僕の顔はぐしゃぐしゃですよ。そしてロッキーを応援するアドニスの健気なこと!
 
そして、その「共闘感」が更に爆発する王者とのファイト、最終ラウンド前のインターバルに関してはロッキーシリーズ中最も好きなシーンと断言できます。何と言っても「俺は○○じゃない」ですよ。「おぉ、そうだお前は○○なんかじゃない。頑張れ、やったれ…。」と顔中から体液を垂れ流しながらなんだかもう何目線なのかわからない感じでひたすら応援してました。なんなら嗚咽も出そうでした。
 
その後のロッキーの返しやら何やらもう熱いとか感動とかいう言葉で言い尽くせない…。試合前の贈り物だったり、一瞬見えるあのビジョンだったりもう早く人と語りたくて仕方ない。もーあの感動の1%も文字に起こせてなくて自分に腹が立つな~おい。

最近目の前にもしばらく後にもやらなきゃならないめんどくさいことばっかりで、起きてるとずっとそのことが頭から離れなくて、暇さえあれば寝てました。もう何もしたくないような状態がしばらく続いてました。でもこの作品含めロッキーシリーズは結果はどうあれdoした者にだけ道が拓けるってことを教えてくれたような気がしてます。今も重い腰を上げてこのブログを書くことでちょっと気が晴れました。
 
残りの人生において長い付き合いになりそうなシリーズの船出に立ち会えて非常に幸せな気持ちです。これからアドニスがどのように経験を重ね、挫折を味わう度に乗り越えていってくれるのか楽しみと言うほかありません。 
 
残念ながらかなりの映画館で上映が終わってしまったのですが、逆に全くシリーズを観たことがないって人がいたら二番館でかかるまでにゆっくり予習して行けばいいと思いますよ。全作予習して行く価値は絶対あります。読んで下さってる人の中にはいないような気もしますが。