静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画100:『アウトレイジ 最終章』

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監督:北野武

出演:北野武大森南朋西田敏行ピエール瀧塩見三省原田泰造松重豊大杉漣、白竜、名高達男光石研池内博之津田寛治、金田時男、中村育二、岸部一徳

 

※内容に触れてるからこれから観るやつは読むなバカヤロー※

 

お陰様で新作レビュー100本目でございます。目指せ1000回。

 

まず無印の楽しい殺人描写とか前作『ビヨンド』のバカヤローコノヤロー口撃の応酬とか、そういう意味での集大成を期待していったのはダメだったなと。なんかモードが違うというか、それらはもうやったからって感じ。いやどっちもなくはなかったんだけど。悪く言えば半端な感じもした。

 

大友がほぼ一線から退いてて、最後に全部攫う役どころだったってのもカラーを決めた要因だったのかも。ほぼ最初と最後しか出てないぐらいの印象。きっかけのいざこざと世話になった会長への忠義で汚れ役を引き受け全部攫ってっちゃうぐらいで。そういう意味ではストレートに任侠に生きる大友の新しい面も見れたというか。

 

今回の大友はほぼデウス・エクス・マキナですよね。しかもそれを監督がやっちゃうっていうのが尚更その感じを増してるというか。全部なくなって自分も死んで、「しかもこれでシリーズも終わりなのか」という観た後の虚無感が印象的。往年の北野バイオレンス映画の後味にやっぱり近い。

 

いやただそういうのと同じぐらい悪い意味での虚無感もあったよ。キャストの魅力は明確に落ちてると思った。ピエール瀧は新しいとこ何も見られず関東圏の人間から見ても下手じゃね思うレベルの関西弁しか記憶にないし、原田泰造ロクなセリフが無い単なる鉄砲玉だし、衣装が絶妙にダサくて最高な大杉漣涙袋が爆発しそうな岸部一徳、スクリーンに映った瞬間笑ってしまった韓国マフィアの側近役津田寛治とかもいいんだけどファンサービスの域は超えてない感じもしちゃった。池内博之とか白竜はもっとこう…あっただろう!松重豊塩見三省、そして金田時男が敢闘賞!

 

懐かし北野映画味がほんのり感じられるという意味ではまあよかったのかな。でもアウトレイジの最終章としてうーんというノイズがねえ。