静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画114: 『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFINAL』

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仮面ライダー 平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー

監督:上堀内佳寿也

出演:犬飼貴丈、飯島寛騎渡部秀三浦涼介福士蒼汰、佐野岳西銘駿赤楚衛二高田夏帆、瀬戸利樹、松本享恭、岩永徹也、松田るか、小野塚勇人、黒崎レイナ、甲斐翔真、土屋シオン、柳喬之、滝裕可里関智一田中卓志水上剣星前川泰之大槻ケンヂ

 

 仮面ライダー関連の映画は毎度前振りが長すぎなので思い切って割愛!

 

まずビルドの2号ライダーであるクローズの成長譚としてとてもよかった。実質主人公。テレビ本編で自身のアイデンティティや周りの状況に対して悩み葛藤する反面ヒーロー像としては完成されている主人公の戦兎をメインに据えず、その逆であまり悩まず我が道を行くタイプだけど仮面ライダーになって日が浅く戦う理由に確信が持てない万丈にレジェンドライダー達の背中を見せて学ばせるところが上手い。吹っ切れて変身するシーンは派手な演出と相まって非常に熱くなった。

(余談だけど上記の凹凸がこのコンビのベストマッチたる理由だと思う)

  

反面(去年のDr.パックマンのゴーストもそうだったけど)エグゼイドのアフターストーリーとしてはやや弱いかなあとも感じた。まあVシネ控えてるってのは勿論あるんだろうけど。ただCRの面々が病院のロビーにまで溢れる患者たちを看病するシーンはテレビ版の終盤にもあったんだけど、今回はそれを長回しのワンカットで捉えていたのがすごくよかった。インタビューでキャストの人も言ってたけど、ここでエグゼイドメンバーの1年の積み重ねが感じられて感慨深いものがあった。黎斗は御成と楽しそうだったね。

 

そしてなんつってもオーズ。ちなみに僕のフェイバリットライダー。放送終了から7年(!)経ったにも関わらず主人公コンビの2名がオリジナルキャストで復活。第一報を聞いた時は奇声を上げる勢いだったが、一抹の不安がないこともなかった。

 

それは多くのオーズファンと同じく、一重にアンクの扱いに関する心配だった。欲望に飢えたメダルの塊だった彼が人間が抱くような満足を胸に消滅した感動のテレビ版ラスト、最後の共闘の後「いつかの明日」での再会を誓った『MOVIE大戦MEGAMAX』(坂本浩一監督)を経て、晩節を汚す蛇足のような展開になったらどうしよう、スクリーンを破くかもしれない…などと早く二人に会いたい気持ちと同時に戦々恐々としていた。

 

結果的に全くの杞憂だった。そこには紛れもなく映司がアンクに誓った「いつかの明日」があった。

 

前述の『MOVIE大戦MEGAMAX』の後の最初のゲスト出演(というか今回のような懸念を胸に抱かせた理由の一つであるクソみたいな扱いの客演)だった『スーパーヒーロー大戦』のメイキング動画で(同時期に発売された)Vシネスピンオフの「仮面ライダーW RETURNS」をパロって「オーズリターーンズ!テロップバーン!」とか言って現場でふざけてたあの頃の渡部秀くん、本当によかったね。まあよかったねと言いつつ脚本段階からかなり関わってたそうなのでほぼ二人の尽力の賜物みたいだけど。とにかくよかった。

 

仮面ライダーフォーゼから6年ぶりに復活した福士蒼汰演じる如月弦太朗も、当時の親しみやすさと先輩的な頼もしさが同居していて嬉しかった。仮面ライダー鎧武から4年ぶりに本人が出演した佐野岳演じる葛葉紘汰も神様(!)としての貫禄マシマシな上にフリーターだった頃の根明感も久々に垣間見れた。仮面ライダーゴーストからは主演の西銘駿と相方の御成演じる柳喬之が出ることで話が少し進んでて笑った。敢えて言うならタケル殿は去年のDr.パックマンがとにかく最高すぎて今年は少し霞み気味だったけど。

 

一言言うなら今回の悪役周りは経歴や目的、手段に関する説明セリフが多くてちょっとテンポ悪かったかなとは思う。大槻ケンヂや変身アイテム、怪人体のデザインすげーかっこよかったからいいけど!

 

総じて大満足でした。ライダー映画五指には入るマスターピースだと思うよ。上堀内監督はまだ31なのに本当にすごい。