静かなる備忘。

レビューと言いつつ映画の感想と触発されて考えたことをだらだら書いています。むしろ後者がメインになりつつある。

新作映画レビュー057: 『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ』

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  『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー

監督:坂本浩一

出演:飯島寛騎、西銘駿、瀬戸利樹、山本涼介、松本京恭、磯村勇斗、松田るか、大沢ひかる、柳喬之、小野塚勇人、甲斐翔真、工藤美桜、白石隼也竹内涼真棚橋弘至、鈴之助、山本千尋高野洸博多華丸野村宏伸佐野史郎

 

 

タイトルが長え。

 

今年もこの時期がやってきた。去年の冬映画は惨憺たる結果だった。鶴太郎と竹中直人のアドリブ合戦は超笑ったけど…もう悲惨だった。あれが制作過程に事故がなかった結果だったのなら逆にすごい。

 

基本的に冬映画(MOVIE大戦シリーズ)はテレビ放送中の現行ライダーのスペシャルストーリーと、10月で放送が終わった先輩ライダーのアフターストーリー、そしてその二つの話が合流して二大ライダーが共闘するMOVIE大戦パートの三部構成が例年のパターンだった。去年から最初から最後まで二つのライダーが共闘する構成に変えてきて、今年はそこに更に3人の先輩ライダーが参戦する形になった。

 

まず良かったのは現行のエグゼイドと先輩のゴーストの話がベースとしてしっかり成立していたこと。エグゼイドは研修医、ゴーストは一度死んで蘇った高校生というそれぞれの立場がやりとりを通して相互作用的に引き立っていた。特に永夢には身の回りに後輩のような立ち位置のキャラも完全に信頼できる対等な力を持った味方もいないから、タケルとの関係性は新鮮だった。というか単純にエグゼイド本編がギスりすぎているので安心感があった。信頼できる仲間っていいね(小並感)。ラストのひと悶着からのやりとりは唐突すぎるけど蛇足ではなくとてもグッときたよ。

 

そしてその土台の話に先輩ライダーたちもきっちり絡んでくる仮面ライダーには春映画というのがあって(『仮面ライダー1号』の記事参照)、そっちは例年話がめちゃくちゃなところに最終決戦で先輩方が大挙して押し寄せてくるので何の感慨もないんだけど、今回はラストの5大ライダーの横並びにカタルシスを感じられた。

 

特に仮面ライダードライブ、泊進ノ介は三人目の主役と言っていいレベル。後輩たちの危機的状況に変身して助太刀できないもどかしさを抱えながらも刑事として、そしてベルトはなくても仮面ライダードライブとして敵に立ち向かう姿は感慨に堪えないものがあった。しかも一つ下の後輩のタケルがその信念を受け継いでいて、後輩(年上の医者)に説教する場面まであっておお、もう…。タケル殿がああやって感情をむき出しにするのって意外と珍しい気がした。高校生のくせに最初っから利他的な人格者だったからな。でも怒るのも他人のためってのも彼らしい。あのシーン好きだなー。生身アクションが大好きな坂本監督の心の声にも聞こえたよ。久しぶりに登場した仮面ライダーウィザード、操真晴人も相変わらずで安心した。本当に今何やってるんだよって思うけど、たぶんプラプラしてたらたまたま今回の件に関わっちゃったんだな。

 

アクションシーンは今までの坂本監督作品以上のてんこ盛りで目がどっと疲れた。ただサービス精神からくるフォームチェンジラッシュが勝つ手段でなく目的化しちゃってる気もするし、シーンが変わるともう姿も変わってたりしてそこはちょっと、まあキツく言うなら雑かなとも思う。一回の変身の演出にこだわりまくる柴崎貴行監督ほど大事にやれとは言いませんけどね。とは言え出してくれること自体は本当嬉しい。オールドラゴンとかタイプフォーミュラとか大好きなので。

 

呼べば絶対出てくれそうな佐野岳がいなかったのはマジで残念だったけど、総じて大満足です!!

 

 

 

 

来年の春映画はあれが帰って来るみたいで楽しみだなあ!!!!